教育:教育へのアクセス格差(ex. 貧富、地域間、先住民)
2021.10.13 更新
概要
- 教育機会の多さや教育の質の観点から、都市部と農村部を中心に教育へのアクセスの格差が依然として残っている
- また、ICTを活用した教育が拡大していく中、インターネットへのアクセスやデバイスの保有状況からも地域間格差が発生している
各国の現状
- 【メキシコ】障がいをもつ人口の約49%、先住民の人口の約33%、女性の約48%に教育が行き届いていない。特に、先住民族の初等教育において、言語とコミュニケーションに関して満足のいくレベルに到達していた児童の割合は4%と非常に低い
- 【ブラジル】OECDの調査によると、ブラジルは生徒一人あたりのコンピュータ台数が最も少ない国の一つとされている。コロナ禍では、対面教育が停止し遠隔教育が導入されたが、DataFavela社の調査で、ブラジルのスラム街に住む学生の55%が、適切な学習場所がない、インターネット接続が悪い、デバイスがないといった理由で、コロナ禍で勉強していないことが判明した
- 【コロンビア】国全体では、教育を受けている児童の割合は97%と高水準である一方、農村部では教育機会が十分に提供されていない、ドロップアウト率が高いといった理由から教育を受けている児童の割合は都市部よりは少なく、また、教育の質にも格差がある。また、PISAテスト(Programme for International Student Assessment, OECDによる生徒の学習到達度調査)ではコロンビアは2014年時点で最下位であった
- 【チリ】ICTの普及率は、主要都市部では70%であるのに対し農村部では42%と、農村部で大幅に低く、デジタルソリューション導入の障害となっている
- 【ペルー】農村部では、インターネットにアクセスできる人の割合が少なく、アクセスできる人も多くがスマートフォンではなく携帯電話を使用しているため、勉強に向いている環境が整っているとは言い難い。全国世帯調査によると、2020年時点で、6歳以上の人口の約70%がインターネットにアクセスできていることが明らかとなったが、首都圏では約83%の一方、他の都市部では約74%、農村部では約42%と差が目立つ
現地スタートアップが提供するソリューション例
- 理科実験のためのキット、機器の解説書 – Scintia(メキシコ)
- ARを活用した玩具 – Boxies(メキシコ)
- 子ども向け教育ソフトウェア – Trybu(メキシコ)
- 問題解決力を身につけるためゲーム – Alba(メキシコ)
- オンライン教育講座プラットフォーム – Hotmart(ブラジル)
- 遠隔教育(学問分野の教育より、実践的なスキルの訓練講座が主流) – Platzi(コロンビア)
- プロの家庭教師と受験生を結びつける同社のオンラインテスト準備学習プラットフォーム – FuturaPrep(チリ)
- 公立校の学生向けのオンライン無料数学クラス – Check(ペルー)
- 貧困地域の公立学校向けの低コストな遠隔教育コンテンツ – Tannder(ペルー)