運輸:輸送コストの削減、輸送サービスの質改善
2021.10.11 更新
概要
- 輸送コストが高い、輸送インフラの整備やキャパシティーが十分でないために効率性が低いといった課題を抱えている
各国の現状
- 【メキシコ】商品の積み替えから輸送をよりスピードアップするために、道路、空港、港、鉄道のインフラを拡充する必要がある。例えば、道路輸送では、旅客の96%、貨物の56%を輸送しているが、2018年時点で、道路の状態は43%は良好、35%は整備不十分、残りの22%は荒廃となっている
- 【ブラジル】2018年のGlobal Competitiveness Reportでは、ブラジルはインフラの質で140カ国中81位、高速道路の質で112位、鉄道の効率性で97位、海港の効率性で105位、航空輸送サービスの効率性で73位という結果となった。旅客と貨物の輸送を高速道路に大きく依存しているが、高速道路の内、舗装されているのは約12%、さらにその内28%は劣悪な状態にあるとされている。鉄道輸送のキャパシティーは限られており、海上輸送も港の老朽化や容量不足で効率性は低い
- 【コロンビア】貨物輸送は道路輸送に大きく依存しているが、輸送コストが高い。コンテナの国内輸送と輸出のコストは、中南米地域全体やOECD加盟国の平均と比較しても2倍以上となっている。道路密度は人口100万人あたり30kmで、ブラジルの1,066km、メキシコの1,188kmと比較しても著しく低い。尚、道路輸送に依存している理由の一つとして、内陸水路インフラのキャパシティーが不十分でサービスレベルが低いことが挙げられる
- 【チリ】物流コストはOECD加盟国平均の2倍となっている
- 【ペルー】統合的な交通システムが不足している。公共交通機関に関しては、リマでは安全性・利便性が低く、定額制ではないようなインフォーマルな交通機関の割合が高い。また、都市の交通機関に関するルート情報、マップなども積極的に活用していく必要があるとされている
現地スタートアップが提供するソリューション例
- 輸送のスピード改善のためのオンデマンド配送 – Treggo(メキシコ)
- 中小企業のエコマースプラットフォーム向け物流インフラ – Mandae(ブラジル)
- トラック運転手と配送業者のマッチングプラットフォーム – TruckPad(ブラジル)
- トラック運転手と運送業者のマッチング(ラストワンマイル物流へのソリューションとして) – Liftit(コロンビア)
- B2Cエコマース業者向けマイクロフルフィルメント(MFC)サービス(遊休不動産の倉庫への転用による当日配達サービスの低コストでの実現) – Cubbo(コロンビア)
- オンデマンドでの集荷サービス – Tumotorizado.com(チリ)
- 引越し/貨物トラックの所有者と、物の移動を必要とする人々を結びつけるマーケットプレイス – UnFlete.com(チリ)
- Eコマース向けロジスティクスサービス – Shipit(チリ)
- リアルタイムの交通・輸送情報 – TuRuta(ペルー)