JICAとIDB Lab(米州開発銀行グループ)は、日本発のスタートアップによる中南米・カリブ地域への事業展開を支援するプログラム「TSUBASA2025」の参加企業募集を近く開始します。このプログラムは、イノベーティブなアイデア・技術・ビジネスモデルを持つ日本のスタートアップ企業の事業展開支援を通じて、中南米・カリブ地域の開発課題解決とSDGs達成への貢献を目指しています。
TSUBASA2025では、応募企業の事業展開の方向性に応じて2つのコースを設定しています。
- Business コース …… BtoB または BtoC のビジネスモデルで中南米・カリブ地域への事業展開を目指す企業向け。プロトタイプ・要素技術を有する企業や、すでに現地パートナーを持つ、または現地法人を設立している企業も支援対象となります。特に農業・自然資本、エッセンシャル・インフラ・サービス、教育・能力開発・雇用、保健・医療、金融包摂などの分野からの応募を期待しています。
- Government コース …… BtoG のビジネスモデルを前提に、JICA が示す重点課題領域や JICA 協力事業の効果増大に貢献するソリューションを持つ企業向け。実施中・予定の ODA 案件の付加価値の増大や、将来的な個別協力事業の形成を見据えたアイデアの共創、相手国政府のニーズに基づく革新的なアプローチの検証などが対象となります。
支援内容
採択企業には以下のような多面的な支援が提供されます。
- エキスパートによる質の高いメンタリング(ビジネス・インパクト両面からのサポート)
- 現地ネットワークの紹介と連携支援
- 渡航・通訳費用の一部支援の可能性(進捗度に応じて条件付き)
- TSUBASA コミュニティへの参加
- プログラム終了後の追加支援の可能性
・BusinessコースはIDB Labによる追加支援(技術協力スキームや出融資スキーム)
・GovernmentコースはJICAによる追加支援(実証にかかるサポートや資金面での支援、上限目安1,000万円)
スケジュール
- 2024年12月 …… Governmentコース向け課題セミナー開催予定(募集候補となる対象国の特定の課題についてJICAから日本企業向けにセミナーを実施)
- 2025年1月 …… ローンチイベント開催(応募要項の説明、募集する国×セクターの最終発表など)
- 2025年1月~3月 …… 応募受付
- 2025年4月~5月 …… 審査プロセス(一次審査:書類+ビデオピッチ、二次審査:面談)
- 2025年6月~11月 ……支援プログラム実施
これまでの実績と事業化に向けた進展
過去3期で計27社を採択しており、環境・エネルギー、農業、教育、セキュリティなど様々な分野の企業が参加しています。具体的な事例は以下のとおり。
- Singular Perturbations …… 犯罪予測アルゴリズムによる警備最適化 SaaS を展開。IDB Lab から40万ドルの支援を受け、ウルグアイにおいて実証を実施中
- ダイビック …… オフショア教育で南米に IT 教育と雇用機会を提供。IDB Labから30万ドルの支援を得て、パラグアイにおいて実証を実施中
- Sagri …… 衛星データと AI を活用した農家の生計向上に取り組み、IDB Lab から80万ドルの支援を得て、ペルーにおいて実証を実施中
オンラインによる事前応募相談のご案内
応募を検討中のする企業向けに、以下のような事前応募相談の機会サポートを提供しています。
- プログラムの詳細説明
- Business/Governmentコース選択に関する相談
- 応募アイデアのブラッシュアップのためのアドバイス
オンラインによる事前応募相談はTSUBASA の特設ウェブサイトから申し込みが可能です。また、J-Startup、J-Startup Impact、J-Startup 地方版制度との連携も検討されており、より包括的な支援の提供を目指しています。
TSUABSA2025への応募にご関心がある方は、ぜひ事前応募相談にお申し込み下さい。